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「きぼう」の打ち上げは、なぜ「船内保管室」からなのか? [博物館の仕事(天文)]

ニュース | So-net
  【ジョンソン宇宙センター(米テキサス州)=増満浩志】国際宇宙ステーション(ISS)で日本時間15日午前10時30分ごろ、前日に取り付けられた日本実験棟「きぼう」の船内保管室のハッチが開き、土井隆雄飛行士(53)らが入室した。
- 読売新聞 [03/15(土) 11:00]
 今、土井宇宙飛行士がISS(国際宇宙ステーション)で活躍しています。土井さんについて書きたいこともあるのですが、それはまた後日にするとして、今月はプラネタリウムの話題として「きぼう」について取り上げているので、今日はそれに関連した話です。
 3回に分けて組み立てられる「きぼう」の第1便として、今回スペースシャトルで打ち上げられ、土井さんによってISSに接続されたのは「船内保管室」という部分なんですが、自分で作ったプラネタリウム解説用の資料を見てふと疑問が浮かびました。次の2つの図を見て船内保管室の位置を確認してみてください。
http://kibo.jaxa.jp/about/images/iss_kibo.jpg
http://kibo.jaxa.jp/images/about/kibo/jem_all_m.jpg
 何か不思議に思いませんか? 「きぼう」の完成型としては、ISSの「ノード」という接続部に直接つながるのは「船内実験室」という部分で、船内保管室は船内実験室にくっついています。ですから、船内実験室を先に打ち上げた方が合理的だと思うのですが、なぜ船内保管室から打ち上げたのでしょう?
 JAXAに質問のメールを出してみました。するとその日のうちに返事がありました。回答は簡単にいうと、当初は船内実験室から打ち上げる計画だったが、船内実験室の中の機器も含めると重量オーバーになってスペースシャトルに積めないので、その機器を船内保管室に積んで先に打ち上げることにした、とのことでした。「きぼう」は「ハーモニー」というノードに接続されるのですが、下のサイトの図を見比べると、今回取り付けられた船内保管室と、次回取り付けられる船内実験室の接続位置が異なることがわかります。
http://kibo.jaxa.jp/mission/1ja/mission/
http://kibo.jaxa.jp/mission/1j/mission/
 つまり、土井さんが取り付けた船内保管室は仮設置であって、次のミッションで船内実験室が設置された後、船内保管室が本来の位置に移されるということなのです。
 それにしても、こんなにすばやくて丁寧な回答をもらえるとは、さすがJAXAの広報セクションです。
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